2013/08/30

うど婆ちゃんとちんか婆ちゃん

母がよく思い出話をする。
「おはんに、うど婆ちゃんが10円玉を握らせっせぇ、
黒砂糖をこけ行かせっおいやった」 と。
当の本人は、買いに行かされたという記憶がほとんどない。
ただ、うど婆ちゃんが黒砂糖を好きだったのは、覚えている。
冬の日、黒い着物をきて、縁側で日向ぼっこをしている丸い姿。

本家にうど婆ちゃんと、ちんか婆ちゃんがいた。

小さいころは、意味もわからず、そう呼んでいた。
いとこの姉ちゃんや兄ちゃんが、そう呼んでいたので、
同じように呼んでいただけだった。

うど婆ちゃんは、私が幼稚園に上がる前に亡くなった。
それからは、ちんか婆ちゃんしかいなかったから、
ちんか婆ちゃんって、「何でそう言うのかなぁ。」と思いつつも追求はしなかった。
その意味をちゃんと理解したのは、ずいぶん大きくなってからだった。

大きい婆ちゃんと、小さい婆ちゃん。
決して、体の大きさのことではない。

二人は嫁と姑の関係。
本家のおばちゃんや、うちの母はそのまた嫁。

うど婆ちゃんも、ちんか婆ちゃんも、
明治生まれの薩摩の女たち。。。

ちんか婆ちゃんは、高校生の時に亡くなった。
直接、話をすることはめったになかった。
昔のことを教えてもらうこともなかった。

「むかっのしは、ひでかったとぉ。」
昔の人は大変だったと、よく尊敬の念をこめて言われる。

薩摩の女たちの生活は、
今とはずいぶん違っていたのだろうなぁ。。。

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